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乳癌でトリプルネガティブは完治するの?

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ここでは、「乳癌でトリプルネガティブは完治するのか」
についてお話します。

 

乳癌の治療は、一般的に知られるような
手術療法だけではなく、

 

化学療法や放射線療法、
ホルモン療法などを行います。

 

近年のがん治療の研究と
遺伝子検査の発達により、

 

個々の患者が持つ
乳癌のタイプに合わせた

 

よりオーダーメイドな
治療がなされるようになりました。

 

今回は、その乳癌のタイプと
治療法に関するお話です。

 

乳癌のタイプを決める因子とは

 

乳癌のタイプを決定するうえで、
3つの重要な因子があります。

 

それは、エストロゲン受容体の有無、
プロゲステロン受容体の有無、
HER2(ハーツーと読みます)の有無です。

 

このうち、エストロゲンと
プロゲステロンは主に

 

卵巣などで作られる女性ホルモンで、
乳癌の発現や増殖に
深い関わりを持ちます。

 

HER2は細胞表面に存在する糖蛋白で、
普段は細胞の増殖や分化に関与しています。

 

しかし、一部の癌では、
このHER2が過剰に発現してしまい
癌の増殖に関与しています。

 

これらの因子は、乳癌の診断時に
行う生検の検体から調べることができます。

 

3つの因子と治療

 

3つの因子をなぜ調べる
必要があるのでしょうか?

 

この3つの因子を調べることによって、
その人にどの治療が
効果が見込めるかがわかるからです。

 

ホルモン受容体が陽性の人には
術前後のホルモン療法が適応になり、

 

HER2陽性の人には
術前後の化学療法の中に、

 

専用の薬剤を
組み込むことになります。

 

トリプルネガティブと治療効果

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トリプルネガティブとは、
この3つの因子が全て
陰性であることを指します。

 

現在、乳癌患者全体の2割弱が
このタイプであると言われています。

 

トリプルネガティブ乳癌は、
ホルモン治療が効かない、

 

HER2用の化学療法が効かない、
ということで、

 

以前は一般的に経過が不良である
と言われていました。

 

しかし、これまでの研究の結果、
このトリプルネガティブの中でも

 

抗がん剤治療の効果が出やすいタイプと
出にくいタイプに
分かれることが判明しています。

 

(実際にタイプを分ける方法は確立していません。)

 

そのため、トリプルネガティブ乳癌の
場合は、術前後のどちらかに
化学療法を行うことが勧められています。

 

トリプルネガティブ乳癌でも完治が見込める?

 

これまでは、トリプルネガティブ乳癌は
より悪性度が高いと思われていました。

 

近年の研究の結果、

 

「他のタイプより、わずかに再発率が高い」

 

だけであり、例えば術前後の抗がん剤の
効果があって再発さえなければ、

 

他のタイプの乳癌と経過は
変わりがないことがわかっています。

 

もしも再発してしまった場合に、
ホルモン療法など

 

打つ手段が少ないことが
トリプルネガティブの問題点なのです。

 

乳癌は、治療に用いる方法が
複数あって理解が難しいこともありますが、

 

より本人に合わせた治療が
行えるよう治療技術が進歩しています。

 

まずは医師から、自分の病気の
状態をしっかり説明してもらって

 

その治療を受ける意味を
理解することが大切です。

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