乳癌の転移が脳の余命とは？
ここでは、「乳癌の転移が脳の余命」
についてお話します。
「乳癌は転移しやすい癌である」
と聞いたことはありませんか？
乳癌の初期には、
しこりに痛みを感じないために
自分で触診したり、
定期的な乳癌検診を受診していないと
発見が難しい癌とされています。
今回は乳癌が脳に
転移した場合についてご紹介します。
乳癌の脳転移が起こる理由とは？
癌細胞は増殖する際に血管や
リンパ節を破ってどんどん増殖
してしまいます。
癌細胞は血液やリンパ液に
乗って全身に散らばって
しまうこともあります。
こうして、乳房で発生した
がん細胞が脳にたどり着き、
脳で増殖を始めると、
それは乳癌の脳転移であり
大きく成長していくと
転移性脳腫瘍と呼ばれます。
転移性脳腫瘍の原因となる癌で
一番多いのは肺がんですが、
乳癌は肺がんに次いで
２番目に多いとされています。
乳癌の脳転移は脳の
硬膜という部分に多く起こります。
歩行時のふらつきや嘔吐、
四肢の麻痺や意識障害など
発見されるきっかけはさまざまです。
脳転移が疑われる場合には、
造影剤を使った頭のМＲＩや
ＣＴ検査を行って診断します。
乳癌の脳転移ではどのような
症状が起こるのか？
乳癌は痛みが少なく、
原発巣よりも、脳への転移巣が原因で
起きる症状のほうが
先に現れることが多いです。
脳は体全体の動きや感覚をつかさどる他に、
様々な生体反応を担っている大切な部分です。
そこに乳癌が転移して
転移性脳腫瘍となると、
主に頭痛、嘔吐、
体の動きの麻痺がおこります。
脳転移によっておこる症状は、
脳のどこに癌が転移するかによって
大きくことなります。
小さな転移性脳腫瘍でも、
部位によってはけいれんが起こったり、
また、大きな腫瘍でも
特に症状がない場合もあります。
腫瘍が脳の中で大きくなると、
脳が圧迫されて頭蓋骨内部の
圧力が高くなり
様々な症状が現れてしまいます。
乳癌の脳転移の治療と予後、余命は？
外科的手術で腫瘍を切除したり、
放射線治療や薬物治療を組み合わせて
転移腫瘍も治療していきます。
他の癌の脳転移には化学療法が
効きにくいですが、乳癌の脳転移は
比較的薬物療法が効きやすく、
積極的に取り入れられます。
転移が発見されたときの原発巣の
状態によって転移巣の治療方法は
異なってきます。
もし、原発巣の状態が悪く、原発巣だけで
予後が３か月程度と診断された場合、
転移巣の治療は行わないことが多く、
疼痛コントロールを中心とした
緩和ケアが行われます。
転移巣の治療によって大幅な
状態改善や生活の質の向上が
見込まれる場合には
手術治療が検討されます。
癌が脳に転移した人の
平均余命１０〜１２か月
と言われています。
しかし、乳癌の多発性脳転移が
ある人でも放射線照射によって
１０年以上元気に過ごされる方も
いるので一概には言えません。
乳癌の脳転移の場合、
癌性髄膜炎という癌細胞が原因の
髄膜炎を起こしやすく、
癌性髄膜炎になってしまうと
余命は１〜３か月となってしまいます。
乳癌は脳転移が起こりやすく、
原発巣である乳房の腫瘍の治療が
終了していても後から脳への
転移が発見されることもあります。
乳癌検診に加えて脳ドックなどで
定期的に脳の状態も
検査しておくと安心ですね。