乳癌ステージ4で10年生存率とは?
ここでは、「乳癌ステージ4で10年生存率」
についてお話します。
乳癌は、患者の体験談のブログなども多く、
がんの中では比較的
耳にすることの多い病気です。
乳癌は早期発見と早期の適切な治療で、
高い生存率が見込める癌のうちの一つです。
しかし、ある程度のレベルまで
乳癌が進行してしまったら
どれくらい生きられるのかと
疑問に思う方もいると思います。
今回は、乳癌の進行度と
生存率に関するお話をします。
乳癌とステージ分類
癌は、どの種類の癌であっても、
病気の進行度を分類する目安があります。
乳癌の場合は、
おおまかに次のようになります。
0期:癌が乳管内に留まっている非浸潤癌。
極めて早期の状態。
1期:しこりが2センチ以下で、
リンパ節や周囲の組織への転移がない。
2期:しこりが2センチ以下、
もしくは2センチ〜5センチ以内。
脇のリンパ節に転移しているが、
周囲組織に固定されず可動性がある。
3期:しこりが5センチ以下で、
脇のリンパ節転移は周囲組織に
固定されている。
もしくはしこりのサイズや
脇のリンパ節転移の有無に関係なく
しこりが皮膚に顔を出しているか、
鎖骨の上下にあるリンパ節に
転移している。
4期:骨や肺などの他臓器に転移している。
ステージ4の意味
分類にもあったように、
ステージ4とは他臓器に
遠隔転移をしている状態です。
しかし、ステージ4が
そのまま末期がんというわけではありません。
あくまで転移している状態を
示しているのみです。
乳癌は、骨や肺、肝臓、
脳に転移をしやすい病気です。
そのうち頭蓋骨など生活に
影響の少ない部位の骨に小さく転移した、
肺や脳に小さい腫瘍が
1つできたのみであった、
それらに対し化学療法や
放射線治療の効果があったという場合は
遠隔転移をした後であっても
長い生存率を見込むことができます。
ステージ4と10年生存率
まず、相対生存率について説明します。
癌の場合にあてはめて簡単に言うと、
癌の人達と、癌ではない年齢や
性別が同じ人達とで生存率を
比べた割合になります。
これを見ることで、その癌が
生存率にどれだけ影響するかを
見ることができます。
例えば、5年相対生存率が
100%という癌があった場合、
癌の人と癌でない人の生存率が
全く同じという事になるため、
その癌は全て治すことができる
(もしくは生存率に影響を与えない)
ということになります。
乳癌の場合の10年相対生存率は
次のようになります。
ステージ1:95.0%
ステージ2:86.2%
ステージ3:54.7%
ステージ4:14.7%
(2017年国立がん研究センター研究班調べ)
乳癌は、ステージ4の人でも
10年後に1割から2割の人が
生存可能ということになります。
そうはいっても、やはりステージ1と
比較すると、病気の進行の
影響は大きいと言えます。
定期的に検診を受け、
身体の変化に早めに気づくことが大切です。