乳癌検診でカテゴリー3の時とは?
ここでは、「乳癌検診でカテゴリー3の時」
についてお話します。
乳癌は女性特有の病気であり、
乳癌検診を勧めるポスターや広告を
見かけたことがある方も
少なくないと思います。
乳癌検診の結果は
カテゴリーであらわされ、
カテゴリーによって
その後精密検査が必要なのか、
ということがわかってきます。
今回は乳癌検診結果の
カテゴリー表記、また乳癌検診を
受ける人の結果として一番多い
カテゴリー3についてご紹介します。
乳癌検診結果のカテゴリー表記とは?
マンモグラフィー検査を用いた
乳癌検診の結果表記として
カテゴリー分類が使用されています。
カテゴリー分類とは、
乳癌検診後に精密検査が必要か
不要かということを示す指標となります。
カテゴリー分類は5段階で評価されます。
・カテゴリー1
正常の乳房所見であり、異常なしの場合、
カテゴリー1とされます。
誰が見ても癌所見はないと
自信をもって言える場合の所見は
カテゴリー1となります。
・カテゴリー2
良性所見ですが、今後の検査結果との
比較の際に参考にしたい
所見の場合にはカテゴリー2とされます。
カテゴリー1・2は
精密検査は不要とされます。
・カテゴリー3
良性の可能性が高いですが、
悪性である可能性もあるという
所見をカテゴリー3とします。
良性だと考えられますが、
今後念のために
追加の画像診断をしておこう、
という場合はカテゴリー3に分類します。
・カテゴリー4
悪性の疑いがあるため、細胞診や
組織検査が必要な場合を
カテゴリー4とします。
・カテゴリー5
マンモグラフィーの所見では
ほぼ間違いなく癌であると
される場合はカテゴリー5とされます。
カテゴリー3とは?
前述したように
カテゴリー1・2は
精密検査は不要です。
精密検査が必要なのはカテゴリー3以上、
つまりカテゴリー3以上と
結果の出た場合には
乳癌である可能性があると
判断してよいでしょう。
乳癌検診を受けた方の
100人に3人はカテゴリー3である
という統計がでており、
カテゴリー3と診断される方が多いです。
カテゴリー3は、
乳癌でない可能性はあるが、
癌の可能性も否定できない
というグレーゾーンを意味します。
カテゴリー3と
分類される要因は4つあります。
・FAD(局所的非対称性陰影)
カテゴリー3の中でFADと診断された方は
左右非対称な部分が存在する
ということですが、
この左右差は、はっきりとした
腫瘤があっての左右差ではない、
という意味になります。
FADで引っかかってしまった場合には
精密検査として乳腺エコーを行い、
異常が見つからなければ、
経過観察となります。
もう一度マンモグラフィーを
行うこともありますが、
カテゴリー3のFADのほとんどは
乳腺の重なっているだけだった
という場合が多いです。
・腫瘤がある
マンモグラフィーで腫瘤を
指摘された場合、
カテゴリー3に分類されます。
精密検査では乳腺エコーを行い、
マンモグラフィーで腫瘤とされたものが
実は嚢胞だったとされた場合には
経過観察でよいとされ、
次の検査は1年後となります。
嚢胞の中に腫瘍がある場合には
さらなる精密検査が必要です。
乳腺エコーで繊維線種が
見つかった場合には針生検をして
本当に良性腫瘍なのか
調べることがあります。
・石灰化している
石灰化している部分がある場合には
乳腺エコーでしこりがあるか調べます。
しこりがある時には針生検を行い、
ない場合には石灰化の分布と
形状でさらなる検査内容を検討します。
ただ、カテゴリー3の石灰化は
良性である場合がほとんどです。
・構築の乱れ
明らかな腫瘤はありませんが、
通常ならば放射線状に並んでいる
乳腺が何らかの理由によって
形状が乱れてしまっているときにも
カテゴリー3とされます。
乳腺の構築が乱れる原因には癌の他にも
さまざまな原因があるので、
その原因を探るための検査を
することになります。
カテゴリー3と診断される方が多いため、
カテゴリー3の詳しい状態を記載した冊子が
乳癌検診の会場などで
配布されていることがあります。
気になる方は探してみてください。
乳癌検診で告げられるカテゴリー分類は、
きちんと理解しておかないと
自分の胸のどこに異常が
疑われているのかわからず、
その後変化があっても
気が付けないことがあります。
乳癌検診を受ける際には、
健診結果として提示される
カテゴリー分類について
少しでも知っておくと安心です。