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乳癌の痛み止めとは?

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ここでは、「乳癌の痛み止め」
についてお話します。

 

乳癌が進行してくると

 

「癌性疼痛」

 

という名前の痛みが生じます。

 

乳癌の治療の際には鎮痛薬が使われますが、
症状や年齢に合わせてさまざまな鎮痛剤を
使い分けていくことになります。

 

今回は乳癌治療で使われる痛み止めについて
ご紹介します。

 

乳癌で痛みが起きる原因とは?

 

乳癌は痛みが起きにくい癌
として知られていますが
進行とともに癌性疼痛が現れてきます。

 

癌の痛みの原因は大きく
4つに分類されます。

 

・癌の進行に伴う痛み

 

癌が進行してくると、癌細胞は血液や
リンパ液に乗って全身に転移していきます。

 

特に乳癌は転移しやすいですから、
脳や骨、そのほかの臓器にも
転移することがあります。

 

脳への転移は転移性脳腫瘍とされ、
腫瘍によって頭蓋骨内部が
圧迫されることで頭痛が起こります。

 

骨への転移では骨が破壊されることで
骨折を起こしやすくなり、
骨折を起こすことで強い痛みが生じます。

 

脊椎の近くに転移した乳癌は
神経を圧迫して

 

進行性のうずくような痛みや、
体動時に増強する痛みが現れます。

 

また、血管の壁に癌細胞が転移すると、
うずくような痛みが現れます。

 

さらに癌組織が末梢の神経に
達すると神経の痛覚を感じる部分が

 

興奮してしまうため、
歯の痛みに似たような痛みが発生します。

 

・癌の治療に関連した痛み

 

手術で腫瘍を切除した場合に、
手術の傷が痛んだり、
神経が傷ついてしまうことがあります。

 

また、腫瘍を小さくするために行った
化学療法によって神経が興奮してしまい、

 

痛みを生じてしまうことや
放射線治療の副作用として
痛みが現れることもあります。

 

・全身が衰弱することによる痛み

 

癌によって衰弱し、
寝たきりになってしまうと
皮膚が圧迫されて破たんしてしまう、

 

褥瘡というものが
できてしまうことがあります。

 

褥瘡ができると、体圧が
かかった際に強い痛みを感じます。

 

また、体動が少なくなることや
化学療法の副作用などによって

 

腸の運動が低下し便秘を
引き起こすことによる腹痛や
口内炎なども起こります。

 

・癌には関係しないが癌患者に多い痛み

 

片頭痛や帯状疱疹は直接
癌とは関連しませんが、
癌患者に多く現れる痛みの一つです。

 

乳癌で起きる痛みにはどのような
痛み止めが使われるのか?

 

前述したような様々な理由によって
強い痛みが現れるので、

 

乳癌治療では疼痛コントロールも
大変重要視されています。

 

WHOでは

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・経口的に

 

・時刻を決めて規則正しく

 

・除痛ラダーに沿って効力の順に使用する

 

・患者に合わせた量で使用する

 

・使用する時には細かい配慮をする

 

という

 

「癌性疼痛の治療の5原則」

 

というものが制定されています。

 

除痛ラダーというのは、
痛みの段階に合わせて使用する薬剤の

 

目安を定めた基準のようなもので、
1〜3段階まであります。

 

日本人は痛みに対して我慢強く、
特に女性は痛みを我慢してしまう
傾向があります。

 

そのため、鎮痛剤の使用は
疼痛時だけ使用するのではなく、

 

常に痛みを感じないように
使用するというのが原則になっています。

 

また、鎮痛剤使用における
副作用に対しては副作用が起こる前に
予防的に対策をとることが定められています。

 

・第一段階

 

除痛ラダーの第一段階では
非オピオイド鎮痛薬といって
非ステロイド性の鎮痛薬が選択されます。

 

非ステロイド性鎮痛薬は
炎症の刺激によって発現する
痛み物質を阻害する働きがあります。

 

非オピオイド性鎮痛薬には
短時間に作用するものとして
ボルタレン、ロキソニンなど、

 

長期間作用するものとして
レリフェン、モービックなど、

 

その中間型としては
セレコックスやハイペン
などがあります。

 

・第二段階

 

第二段階では軽度から
中等度の強さの痛みに用いられる
オピオイド鎮痛薬の投与を行います。

 

オピオイド鎮痛薬とは
非常に強い鎮痛薬のことです。

 

第一段階の薬剤を使用しても
痛みが残存したり、もしくは

 

増強してきてしまった場合に
第二段階の薬剤を使用します。

 

コデインやトラマドール
などの薬剤を使用します。

 

場合によってはこれらの
弱オピオイドに加えて、

 

非オピオイド鎮痛薬を
併用することがあります。

 

・第三段階

 

第二段階の薬剤を使用しても
痛みが残存したり、

 

痛みの増強があった場合には
第三段階の薬剤を使用します。

 

第三段階では中等度または
高度の痛み対応できる
オピオイド製剤を使用します。

 

代表的な薬としては
モルヒネがよく知られています。

 

癌性疼痛は患者さんの
日常生活に大きな支障となり、
多大な苦痛をもたらすものです。

 

医師はその痛みを少しでも減らそうと
患者さんにあった鎮痛薬を処方しています。

 

痛みがある場合にはどれくらいの
痛みなのかを我慢せずに正直に伝えましょう。

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