乳癌で術後の胸帯とは?
ここでは、「乳癌で術後の胸帯」
についてお話します。
乳癌治療に欠かすことのできない手術療法。
乳癌の場合は特に、
術後の下着の準備などのように
他の癌の手術では
見られないような準備も必要です。
そこで今回は、乳房全摘術直後の状態と
胸帯についてお話します。
乳房全摘術の適応
乳房温存術と全摘術では、
生存率では大きな差が出ない
と言われています。
しかしながら、乳房内に
再発するリスクが高い場合や
温存をしても整容面で問題が
出る場合は全摘術の適応となります。
次のような場合が考えられます。
・しこりの大きさが一定以上ある。
・薬物療法を術前に行っても
腫瘍が小さくならなかった。
・癌が広い範囲に多発している。
乳房全摘術の方法
現在は、大胸筋と小胸筋を残して
乳房全体を切除する、
胸筋温存乳房切除術が一般的です。
それに加え、乳頭や乳輪を
切除しない方法などもありますが、
腫瘍の場所によって適応は限られます。
全摘術をした後は、創部を
完全に生着させることが重要です。
そのために、皮下にドレーン
と呼ばれる細い管を挿入し、
体液が溜まらないように
持続的に吸引を行います。
一般的には、この吸引された
体液が一日に30ml以下になったら
管を抜く場合が多いです。
全摘術後と胸帯(バストバンド)の役割
術後の創部の生着のために、
ドレーン以外に重要な
役割を果たすのが
胸帯(バストバンド)です。
創部は手術室で弾性包帯を使って、
がっちりと固定され、
更にそれを上から固定するのが胸帯です。
ドレーンが抜けたら胸帯を
外してもよいとする
病院が多いですが、医師の指示に従います。
また、メーカーが出しているものの中には、
術後の固定に加え、術後の下着として
機能的なものもあります。
術後の腕の運動障害がある時は、
胸帯のようなマジックテープ式の下着は
着脱がスムーズで助かることが多いのです。
この場合は、ドレーンが抜けた後も
継続して使用が可能です。
胸帯の購入について
乳房の手術を行う病院では、多くの場合
病院の売店で胸帯を
取り扱っているところが多いです。
3000円から5000円程度の
価格帯が一般的です。
インターネットでも、術後の下着
として販売されています。
手術が決まったら、
入院時の持ち物について
看護師に確認してみましょう。
今回は、全摘術を中心にお話をしましたが、
温存術の中にも
ドレーンが必要な場合があります。
自分の手術後の様子や、
入院にあたって用意するものは
医師や看護師から事前に説明があります。
自分の場合は何が必要なのか、
医療者にきちんと確認しましょう。